日本からイギリスを訪れる際、ほとんどの人が利用するヒースロー空港は、他の空港に比べて空港税が高いことで知られています。
行き先によっても変わってきますが、日本とイギリスを単純往復する場合は数万円の差が出ることも。
個人旅行であればまだしも、家族旅行などで人数が多い場合はかなりの金額になります。
いったいどれくらいの税金がかかるのか、出来るだけ回避する方法などまとめてみました。

イギリスは空港税が高い?
「イギリスは空港税が高い」なんとなく聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
空港税と諸税(出入国税、空港施設使用料、税関審査料など)は国によって異なりますが、ヒースロー空港の空港税はヨーロッパ諸国の中でも群を抜いて高いです。
目的地や登場するクラスによって大きく変わる
イギリスの空港税は目的地や搭乗するクラスによって大きく変動します。
まず目的地ですが、イギリスから2,000マイル以上離れた都市へのフライトには下記のような税金が課されます。
この金額は2020年4月のもので、今後も変更されますので参考程度に。
Destination bands | Reduced rate | Standard rate | Higher rate |
Band A | £13 | £26 | £78 |
Band B | £80 | £176 | £528 |
Band Aが2,000マイル以下の目的地、Band Bが2,000マイル以上となります。
当然日本はBand Bになり、ほとんどの人は下線を引いた金額を支払うことになります。
Reduced rateはエコノミークラス、Standard rateはビジネスクラスに加えてプレミアムエコノミークラスも含まれるようです(JALのサイトで確認)。
イギリスの高い空港税を回避するには?
ではイギリスの空港税や諸税を回避する方法は?というところですが、単純に「イギリス以外の国から帰国する」ということです。
基本的に空港税や諸税はイギリスから出国する際に課され、短距離での空路や鉄道などで出国すれば安く済みます。
実際どれくらい変わるか、例としてJALで2021年5月のGW期間で検索した場合の「税金・燃油特別付加運賃など」の金額を見てみました。
行き:東京ーロンドン 帰り:ロンドンー東京
エコノミークラス:21,820円
ビジネスクラス:35,020円
このような金額となりました。
金額は燃油サーチャージの金額で大きく変わってきますが、差額は概ねこれくらいと見てよさそうです。
では次に、帰国便をパリに変更した場合です。
行き:東京ーロンドン 帰り:パリー東京
エコノミークラス:11,100円
ビジネスクラス:17,820円
ほぼ半額近くになります。
実際のところ、エコノミークラスであればそこまで大きく金額は変わらないため移動が面倒という方はロンドンから帰国するのも十分アリだと思います。
しかしLCCやユーロスター(鉄道)を使えば、1万円あればイギリス周辺のほかの国に移動してもお釣りが来ることが多いため単純往復と同じ金額で他の国も訪れることが出来ると考えると一考の価値があると思いませんか?
移動した先の都市で帰国便の時間まで少しだけ見て回るのもいいですし、宿泊してゆっくり観光するのもいいでしょう。
移動するならユーロスターがおすすめ
帰国便を他の国にした場合、移動は飛行機か鉄道になりますが、飛行機ならLCCでヨーロッパの様々な都市へ移動可能です。
プラハやローマなどにも1万円以下で移動できるのは大きな魅力ですよね。
ただあくまで個人的な意見ではありますが、移動時間とは別にして飛行機は乗る前や降りた後に時間がかかり疲れるのであまり頻繁に使いたくはありません…。
金額的にはLCCと変わらないかむしろ割高になるものの、僕がイギリス以外から日本へ帰国する際によく使うのはユーロスターです。

ロンドンの中心部にあるセント・パンクラス駅から乗ることが出来て、飛行機に比べて出国手続きや荷物検査も簡素なのでストレスがかからないのが魅力です。
到着した先の都市でも入国審査はシンプルで時間もほとんど取られません。
ただ、飛行機より移動時間がかかるため時間だけを見ればそこまで変わらないかもしれませんが、空港での様々な待ち時間を考えるとただ電車に乗っているだけの時間は気分が楽です。
トンネルも多いのでずっと景色を見られるわけではないですが、車窓から見える風景も緑が多く落ち着きますよ。
ユーロスターの予約は公式サイト(日本語なし)か、レイルヨーロッパで出発前に予約しておくと良いでしょう。
帰国便に乗るおすすめの都市
イギリスから移動する都市としておすすめの場所はユーロスターで移動する場合はパリかブリュッセルがおすすめです。
どちらもロンドンから2時間~2時間半で到着し、駅で荷物を預ければすぐに観光に出かけることも可能です。
また、パリやブリュッセルでTGVに乗り換えるならオランダのアムステルダムも選択肢に入りますね。
LCCなどの飛行機で移動する場合は選択肢は非常に幅広くなります。
少し時間がかかってもよければチェコ・プラハやイタリア・ローマ、近い場所ならオランダ・アムステルダムやアイルランド・ダブリンなどがおすすめです。

イギリス旅行の際は空港税を考慮して、こうしたこともプラスアルファの旅の楽しみとして考えてみるのもいいのではないでしょうか。